午年🐎なのでウマスギゴケの話など

2026年が始まり、1月も早くも後半に突入しました。

こちらでのご挨拶が遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いします。


さて、今年の仕事始めは、締切りに追われることもなくて超スロースタート。

年が明けてからコケカレンダーのご注文が数件入ったりで、その発送作業が年明け最初の仕事となった。

ゆったりとした気分で新年の迎えられたので、

珍しく今後の仕事や今年チャレンジしたいことなどについて、

ゆっくり考えたりもした。


まず今年やるべきことは、公私関係なくもっともっと文章を書くこと。書くことに集中すること。

そのためには、昨年のM-1グランプリのドンデコルテのネタではないが

「デジタルデトックス」を意図的にやっていかないとなぁなんて思っている。


要不要にかかわらずスマホやパソコンを開けば、

自動的に流れてくる情報の波にいつのまにか流されているここ数年。

頭で考える時間が奪われていることにも気づかず、

自分が今どこにどう立っているのかを見失いそうになることがある。


アナログなものにも触れ、手をよく動かし、積極的に体験の機会も増やし、

そこから得たもの、感じたことを自分の言葉で紡いでいくこと。

もっとオリジナリティーを出すこと。


とくにちょっとしたライター仕事などは、

あっという間にAIに奪い取られるという危機感を

すでにひしひしと感じている。

AIにはできない仕事を見出すことが、いまの私の最優先課題。

むしろ取り掛かるのが遅すぎるくらいだと思うけど・・・まぁとにかくやっていくしかない。



さて、やや重めの〝所信表明2026〟になってしまったが、ようやく今日のタイトルの話をしよう。

今年は午年。午年といえばやはりコケ好きが思い出さずにいられないのはこのコケだろう。



▲ウマスギゴケ  Polytrichum commune


「苔庭」でもっとも多用されているコケといっても過言ではないコケだが、

本来は冷涼で明るく、水気のあるところを好み、野生では湿原などの環境でよく見られるとコケだとか。

たしかにそういう目で見ると、山の中でもたまに見かけることがある。


▲いつかの北八ヶ岳。北八ヶ岳といえば白駒池が有名だが、じつは森の中には小さな湿原もある



ここだけ木々に覆われていない、常にさんさんと太陽を浴びるような、同時に足元は常にぬれているような。

そんな場所にこんな感じで野生のウマスギゴケは群生していた。




さて、それはそうとなぜ和名に「ウマ」がつくのか。

その由来は、どうも蒴にかぶさっているフェルト状の「帽」が

馬のたてがみに見えるからというのが通説だ。

  ※帽(ぼう)=コケの胞子がつまった蒴(胞子嚢)を守るもの。


▲帽をかぶったウマスギゴケの蒴。上方の蒴は帽が取れたところ


とはいえ近縁種のオオスギゴケ(こちらはもっと日陰を好む)や、低地の身近な場所に生えるコスギゴケをはじめ、

スギゴケ類の多くがこのような茶色いフェルト状の帽をもっているので、

〝馬のたてがみっぽい〟のはなにもウマスギゴケに限ったことではない。

なぜこのコケの和名だけにわざわざ「ウマ」が入れられたのかはやはりナゾである。



▲ウマスギゴケの帽。単体で見るとたしかにウマの毛並み感はある



なお、欧米のコケ図鑑を読むと、英語圏ではスギゴケ類のことを「haircap moss」と呼ぶと書かれている。

これも密な毛で覆われた帽が蒴をすっぽりと包み込んでいることが由来だという。


しかも面白いことに、ヨーロッパ(書物によっては「アメリカ」と書かれているものも)ではその昔、

このスギゴケ類の茶色い帽とHaircapという名前が毛髪を増やすことを人々にイメージさせ、

毛生え薬として使われていたというのだ。

こんなに小さい(長さ5-10㎜くらいだと思う)帽に頼ろうとするなんて!

もちろんこれは科学的に根拠のない完全な迷信なわけだが、

当時の該当者にとってはワラならぬコケをもつかむ思いだったのかもしれない。


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【おまけ1】

余談だが、残念なことに2025年はわが家は服喪中であったため、

午年に「ウマスギゴケ」を使った年賀状を送ることは叶わなかった(年女なので余計に悔じい…)。

ただ、いただいたお年賀状には寒中見舞いとして、次のようなポストカードでお返事させていただいた。


▲いまからちょうど12年前の午年に描いたウマスギゴケの絵。

いまやコケTシャツでおなじみのMoss-t Projectで、この絵のポストカードをつくったことがありました。


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【おまけ2】

ネットサーフィンをしていてこんなユニークなコケの企画展を発見。


「ANIMAL KOKE10!! ~アニマル苔展~」(鳳来寺山自然科学博物館)


ひと目で釘付けになってしまうこのタイトルのネーミングセンス!(個人的に好き)。

場所は愛知県新城市で3月末まで開催とのこと。

鳳来寺山は日本蘚苔類学会(コケの学会)でも「日本の貴重なコケの森」に認定されている場所である。

行かれる方はぜひ鳳来寺山表参道登り口一帯の樹林地域も回られてみることをお勧めする。





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